文京区の不動産屋、ベステックスの玉井です!
文京区には「都内で一番“名前の付いた坂”が多い」と言われています。ただの坂ではなく、きちんと「名前が付けられた坂」というところに、文京区に住んでいた人たちの坂に対する愛着を感じますね。
「坂のないところに文学は生まれない」という言葉もあり、夏目漱石や森鴎外といった名だたる文豪の作品の中にも、文京区の坂が多数登場しています。
さすが文教の地!……とは思うものの、実際その地に暮らすとなるとそう感心してもいられません。
私自身、文京区の茗荷谷に住んでいるのですが、ほぼ毎日坂を上ったり下ったりしていて、特に疲れている日なんかは正直「もっと平らなところに住めばよかったかな…」と思ったり……。
実際、自分の家の周囲に坂道が多いことはデメリットと感じる人の方が多いでしょう。
そこで今回は、
「文京区に住もうかと考えているけど、坂が多いのがちょっとなぁ」
とお考えの方に向けて、「坂の上の物件に住む意外なメリット」と「坂道があるからこそ気をつけたいお部屋探しのポイント」をご紹介します!これを読めば、坂の街・文京区でも失敗せずにお部屋探しができますよ〜!
文京区の地形
まずは、幾多の坂を生み出している文京区の地形から見てみましょう。
上の図は、国土地理院が提供している上の図は文京区とその周辺の地形図です。標高の高いところが濃い緑色、低いところが薄い緑色で表されています。
これを見ると、文京区はいくつかの台地と葉脈のような谷で構成されていることがわかります。谷と台地が入り組んでいるために、その境界にたくさんの坂が生まれているんですね。
実際に住んでみてわかったメリット
文京区の地形について知っていただいたところで、坂の多い文京区に実際に住んでみた感想と、意外なメリットをご紹介します。
現在私は文京区の茗荷谷に住んでいて、職場のある本郷まで、電動ではない普通の自転車で通っています。
地形図でみると下のようなルートです。
見ていただけたら分かるように、茗荷谷から本郷までは、谷を下って登る必要があります。帰りも同じです。
これがなかなかに長い坂道で、引っ越した当初はよく「この谷が土で埋まって平らになればいいのに……」と考えていました。
ただ、数カ月もすれば毎日の上り下りにもだんだん慣れていくもの。今は引っ越してから2年近く経ちましたが、谷が土で埋まればいいと考えることも少なくなりました。足腰も多少鍛えられたようです。
また、坂道のある暮らしを続けていく上で、坂道にはデメリットだけでなくメリットもあることがわかりました。
それが、坂の上の物件は周囲の物件と高低差があるために、眺望が開けていることです。
違いをわかりやすく図にすると、以下のようになります。
図のように、同じ高さの建物が隣接するにしても、高低差があればある程度眺望が開けます。また、通風や日当たりがよいことも多いです。
眺望については、住んでしばらくは特に意識していなかったのですが、ベステックスに入社して様々な物件を見る中で「そういえばうちって眺めがいいかも!」と気付きました。
坂の上の物件にも思わぬメリットがあったんですね!眺望・通風・日当たりを重視する方は坂の上の物件もおすすめです。
お部屋探しの注意点
続いて、坂道の多い文京区でお部屋探しをするにあたって、気をつけていただきたい2つのポイントをご紹介します。
お部屋探しのときには見逃しがちなところなので、是非チェックしてください!
「駅徒歩〇分」に気をつけて
物件の広告でよく見る「駅から徒歩〇分」という表示。これは80mを1分として計算されています。
単純に距離だけが基準になるため、道中が坂道だろうが砂利道だろうが、等しく80m1分で算出されます。(ちなみに信号・踏切を渡るときの待ち時間も含まれていません)
坂道の場合、特に上り坂は平坦な道よりも時間がかかるはずです。また、出張や旅行で大きなスーツケースを転がしていたりすれば、もっとスピードダウンするでしょう。
「駅徒歩5分!」と書いてあっても、坂の物件であれば、実際にはもっと時間がかかることが多々あるのです。
見つけた物件が坂の上にある場合は、きちんと自分の足で歩いてどれくらいかかるかを確認することをおすすめします。
2段ラックの駐輪場に注意!
文京区は坂道が多いため、街中でも電動自転車を利用される方をよく見かけます。お子様がいらっしゃる方だと、前後にチャイルドシートを付けた、大きな電動ママチャリをお使いの方も珍しくないようです。
電動自転車の弱点はその重さ!バッテリーや電動アシストシステムを搭載しているため、その分普通のママチャリよりは8kgほど重く、20~30kgほどあるそうです(※メーカーによって異なります)。
そのため、そこらを走る分にはラクチンですが、持ち上げるのは一苦労。特に女性にはかなり厳しい重さです。
そのため、文京区でお部屋を探す際には駐輪場をよく確認してください!
物件によっては駐輪場が2段ラックのところもあるのですが、上の段まで持ち上げるのはかなりの力がいります。
駐輪場自体に空きがあっても、実は下の段は全部埋まっている、なんてこともありえます。
電動自転車を使っている、または使う予定の方は、駐輪場がどういう形式で、2段ラックの場合は下の段に空きがあるのか事前に確認しましょう。
まとめ:坂道は悪いことばかりじゃない
- 坂道の上の物件は眺望・陽当り・通風がいいことも
- 駅からの「徒歩〇分」は自分の足で確認すること
- 電動自転車を使う場合、駐輪場には要注意
坂道は確かにデメリットも多いですが、悪いことばかりではありません。毎日の上り下りも慣れればいい運動です。
また、実際に住んでみると、なかなか絵になる坂道が多いことに気が付きます。茗荷谷にある播磨坂の桜並木などは、坂道だからこその美しさがあるなぁとしみじみ感じるものです。
お部屋探しでは上に挙げた2つのポイントに気をつけつつ、坂が多いところも含めて文京区を好きになっていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事を書いた人
玉井 桃子
ベステックス専属ライター。文京区在住在勤。取材では車や電車を使わず、自転車と徒歩で細い路地からスーパーの鮮魚売り場までくまなく巡る。お絵かきツールIllustratorの使用歴12年で、記事中の図解も手掛ける。
電動自転車は絶対あった方がいいです